試して、今度こそ駄目だったらどうするの?
今度は永遠にさよなら?

そのときまりあはどうするの?

「今のままでいられないかな」
「陽鞠」
「都合のいいことを言っていると思う。だけど、私たちはまりあの父と母でいい、それ以上にはならないほうがいいと思う」

長い沈黙が流れた。随分たって、修二が深く息をついた。自分を律するような吐息だった。

「わかった。強引なことをして悪かったよ」

落胆と疲労、そして閉塞した空気が部屋に満ちていた。
帰ろう。両親の待つ、私とまりあの家へ。

「帰るね」
「ああ」

私が抱っこ紐を装着し、まりあを抱き上げるとき、修二は手伝ってくれた。外に出て、タクシーも広い、運転手にお金を渡してくれた。

「また」
「うん、連絡します」

私たちはそうやって、楽しかった一日を終わりにした。