茜「最近愛斗くん来ないな」



棗「うん...」



もしかしたら、がんが、悪化した...



ガラガラ



棗「愛斗くん...?」



突然病室の扉が開くと車椅子に乗って愛斗くんのお母さんとお父さんが来た。



愛斗母「棗くん。愛斗がね棗くんに渡したいものがあるんだってッ...」



その声は少し震えていた



愛斗「なつ、め......これ、...あ、げる。」



辛そうで今にでも逝ってしまいそうだ。



棗「ありがとうッ...」



愛斗「なつめ......がんば、って...いきてね、やくそく...だよ...」



愛斗くんの近くに行って小指と小指を絡める。



棗「うんッ...約束ッ...」



愛斗「あり、がと......」



絡めていた小指はスルッと落ちて、眠るように亡くなった。



棗「グスッ...愛斗くんッありがとうッ」



愛斗父「愛斗、最後に棗くんに会いたいって言ったんだ。」



棗「あぁぁッ...」



貰った手紙には、あの日書いたものと同じことが書いてあった。



愛斗くんは、8歳だった。