棗「なんもッ...知らないくせにッ」



旧校舎に来てひたすら泣く



こんな自分が嫌だ。



泣くことのしか出来ない自分が。



僕だってこんな変な病気にかかりたくなかった



暑い小学一年生の運動会の日倒れて最初は熱中症と言われたけど倒れる頻度が高くなったり高熱が続いたり精密検査をしてもわからなくて



ただどこかの臓器に悪い部分が見つかった。



でもそれは色んな医者が見てもわからなくて



自分は死ぬんだってわかった。治せないなら死ぬしかない。必然的にそうなる。



僕が死ぬとわかっているのに皆は死ね、死ねと口を揃えて言う



この世界にひとりぼっちになった



横を見ても、後ろを見ても、前を見ても誰も周りにいなくて、でも僕のことを悪く言う時は周りにいて



泣いていても涙を拭ってくれる人はいない。


こんな僕になんか、価値なんてない。


そうわかっていても必要とされたくてママやパパ、お兄ちゃんに沢山話しかけて、でも邪魔だって言われて1歳2歳3歳そうやって歳を重ねていくうちに自分の言いたいことは言わなくなって誕生日は必ず家には誰もいなかった



クリスマスの日もお正月も起きると家は真っ暗でただ朝昼晩のご飯しか置いていなかった



体調が悪くなると皆舌打ちしてめんどくさいと言って救急車を呼ぶ



1番その瞬間が嫌だった、



意識が不明になった事もあった。



何度辛いよ苦しいよと声に出したか。誰もその声は拾ってくれなくてただ白い天井に放つだけだった



誰か、僕を1人にしないで、優しく抱きしめて。



棗「ひとりは辛いよ...」