分かっていたつもりなのに、何故今になって『逃げ出したい』と思うんだろう?
レベッカが俺の前に立ち、ドアを開ける。
一瞬目がくらむ程の朝の光に後退りしそうになったが、大きく開けられたドアの前の景色に身動きがとれなくなった。
そこは、何百人もの人間が通りをうめていた。
その視線は全て俺に向かっており、見えない圧力が俺を襲っているように思えてならない。
数段の階段の上にいるので、余計に人間の多さが目立つ。
「…レディックとかいう奴」
先に口を開いたのは、腰が折れ曲がっている老人だった。
俺は声の主を探し出し、余計な事を言わないよう口を閉じる。
「ここの、ナタル・ランディーリーがお前が『この国の王だ』と言っていた、と申した。…本当か?」
「…全て、真実です。俺の名前は、『レディック・ラ・アンサー』…。この国の、第1王太子殿下だった者です」
「何故今まで姿を消していた?お前が王だとするのなら、この国を捨てて姿を消す理由がどこにある?」
俺に対する非難の声が聞こえる。
全て俺に向かっていると自覚すると、気分が悪くなった。
「この国の人々は、俺に裏切られたと…。そう思われても、仕方ないと思います」
レベッカが俺の前に立ち、ドアを開ける。
一瞬目がくらむ程の朝の光に後退りしそうになったが、大きく開けられたドアの前の景色に身動きがとれなくなった。
そこは、何百人もの人間が通りをうめていた。
その視線は全て俺に向かっており、見えない圧力が俺を襲っているように思えてならない。
数段の階段の上にいるので、余計に人間の多さが目立つ。
「…レディックとかいう奴」
先に口を開いたのは、腰が折れ曲がっている老人だった。
俺は声の主を探し出し、余計な事を言わないよう口を閉じる。
「ここの、ナタル・ランディーリーがお前が『この国の王だ』と言っていた、と申した。…本当か?」
「…全て、真実です。俺の名前は、『レディック・ラ・アンサー』…。この国の、第1王太子殿下だった者です」
「何故今まで姿を消していた?お前が王だとするのなら、この国を捨てて姿を消す理由がどこにある?」
俺に対する非難の声が聞こえる。
全て俺に向かっていると自覚すると、気分が悪くなった。
「この国の人々は、俺に裏切られたと…。そう思われても、仕方ないと思います」