しばらくの間抱き合った後、私は銀星から離れようとしたが、銀星の腕が私をがっちりとホールドして離そうとしない。


「ご飯冷めちゃうから……」


「まだ。もうちょっとだけこうしてたい」


私が抗議の声を上げても、銀星は私から離れない。


「もう……しょうがないんだから」


私は溜息をつきながらも、緩む口元を抑えきれなかった。


やがて、銀星が私の頬に手を添えて顔を近付けた。


私は目を閉じ、唇が優しく重なる。


銀星の温もりに包まれて、愛されていることを実感する。


銀星は名残惜しそうに唇を離すと、私を見つめて微笑んだ。


「愛してるよ、美羽」


「……うん。私も、銀星を愛してる」


私達は素直に自分の愛を伝え合うようになった。


もう一度、銀星が私を抱きしめる。


私の幸せは、いつでもこの腕の中にある。


大嫌いだった男を愛した蝶は、戦いの日々を終えて彼の元で羽を休める。


狼みたいに獰猛だけど、本当はとても優しい私の恋人。


蝶と狼のおとぎ話の結末は、きっとハッピーエンドだ。