部屋の片隅には銀星の母親の写真が飾ってあり、私は写真に向かってそっと手を合わせた。


銀星のことを見守ってあげてください。


そう心の中で呟いて、閉じていた目を開ける。


銀星はおそらく母親似だ。顔はそっくりだし、色素が薄いところも似ている。


余談だが、銀星は社会人になったのを機に、髪を黒に戻した。


元々銀髪にしていたのは、そのほうが目立って喧嘩を売られやすいからだと言っていた。銀星が喧嘩の相手を求めていた頃の話だ。


私は銀星の銀色の髪が好きだったので少し残念だが、これも銀星が前に進めた証だと素直に受け入れた。


私が夕食をテーブルに運んでいると、インターホンが鳴った。