「……父親は留守にしてるんじゃなかったの?」


今更ながらに場違いな問いかけをする私に、お兄ちゃんが困ったように笑って答える。


「いや……どうやら偽の情報を掴まされたみたいだな……悪い……」


「情報の取り扱いは慎重にしたほうがいいですよ」


友幸がなぜか偉そうに言って、私達の周りに何とも言えない空気が漂う。


「……とりあえず、ここにいるのはまずいな。志王、今日は家に泊まれ」


お兄ちゃんが銀星の肩をポンと叩く。
銀星はお兄ちゃんを複雑な表情で見て、頷いた。


*****


その後、私達は家に戻って賢翔と友幸も一緒に夕食を食べた。
両親は今日も仕事で遅くなるらしい。