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それから病院に寄って傷の手当てをした銀星は、見た目よりも酷い怪我ではなかったらしく、私達はとりあえず銀星の家に向かった。


だが、銀星の家の前には人だかりが出来ており、彼らはカメラやマイクを構えていて、ざわざわと騒がしい。


「あれって……マスコミ?なんで……」


私がお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃんも驚いた顔でこちらを見る。


「……いや、俺は何もしてない」


「俺があの人の悪事を匿名でマスコミにリークしたからな」


冷静にそう言ったのは、銀星だった。


その時、辺りが一段と騒がしくなり、家から警察に連れられて初老の男性が出てきた。
男性は一度こちらを振り向き、銀星を鋭い目付きで睨んでから、警察に促されてパトカーに乗った。


私達は、パトカーが去っていくのを無言で見送った。