逆上した男が私に向かって鉄パイプを振り下ろす。
その手を掴んで止めたのは、いつの間にか側にいたお兄ちゃんだった。


「ごめん、遅くなった」


お兄ちゃんは男の腹に蹴りを入れ、うずくまった男の顔をさらに蹴り飛ばす。
男が気を失って倒れ込んだのを確認すると、お兄ちゃんが私の拘束を解き、それから私の身体を抱きしめた。


「お前が家に入った後、不審な車が車庫から出て行くのを見て後を追ったんだけど、途中で見失ってしまって……見つけるのが遅くなったんだ。ごめんな、俺が迂闊だったよ」


「……ううん、私があの人を信用したから……お兄ちゃんのせいじゃない」


そんな私達を見てさらに苛立ったのか、男達は鉄パイプを振りかざして銀星達に近付いた。


「クソガキが!いい気になってんじゃねぇ!」


だが、賢翔と友幸は銀星を後ろに隠すと男達の攻撃をかわし、鉄パイプを握る手に蹴りを入れて男達を丸腰にする。