「四大侯爵家のシルフィ様と王太子殿下の婚約者であるルイーザ様に言われたのならば、逆らえるわけがありませんわ。お引き受けします」
「本当ですか?」
「えぇ、二言はありません。ただし、学園では今までどおり私にかまわないでください。あくまで仕事のみの関係です。馴れ合うつもりはありませんので」
「わかりました。よろしくお願いします。おつけするのを忘れましたが、仕事中はヘッドドレス着用もできますので」
私がヘッドドレスを手に取ると、マイヤーヌの目が輝く。
マイヤーヌが手を伸ばしてきたので渡すと、食い入るように見つめていた。
「ヘッドドレス……!」
「フリル多めにすることも可能ですが」
「多めで」
「ブラウスとジャンパースカートも当館ではひとりひとり違うタイプになっています。ルイーザは比較的シンプルなもの。私は袖口にリボンやフリルがつけられているもの。メイド服もフリルやレース多めにしますか?」
「多めで」
私は頭の片隅でどんな服を作ろうかなぁと考え始める。
かなり甘めの方が好まれるかも。
「あぁ、そうそう。ねぇ、マイヤーヌ。私たち、お店で念のためにウィッグつけて変装しているんだけれど、あなたもするわよね? 好きな色を指定してくれれば、購入しておくわ」
マイヤーヌは顎に手を添え思案するそぶりを見せると、急に頬を染め始める。やがて、やや間を置くと唇を開いた。
「エメラルドグリーン」
「なんでエメラルドグリーンって言うだけで赤くなるの? なんか、エロいことでも考えていた?」
「違います! あなた、本当にルイーザ様ですの?」
「こっちが私よ。いつもは猫かぶっているに決まっているじゃない。ここでは素の自分になれる。あなたもわかるわ」
「……そうだといいですね」
ぽつりと漏らしたマイヤーヌの声を聞き、私はそうなってほしいと願った。
「本当ですか?」
「えぇ、二言はありません。ただし、学園では今までどおり私にかまわないでください。あくまで仕事のみの関係です。馴れ合うつもりはありませんので」
「わかりました。よろしくお願いします。おつけするのを忘れましたが、仕事中はヘッドドレス着用もできますので」
私がヘッドドレスを手に取ると、マイヤーヌの目が輝く。
マイヤーヌが手を伸ばしてきたので渡すと、食い入るように見つめていた。
「ヘッドドレス……!」
「フリル多めにすることも可能ですが」
「多めで」
「ブラウスとジャンパースカートも当館ではひとりひとり違うタイプになっています。ルイーザは比較的シンプルなもの。私は袖口にリボンやフリルがつけられているもの。メイド服もフリルやレース多めにしますか?」
「多めで」
私は頭の片隅でどんな服を作ろうかなぁと考え始める。
かなり甘めの方が好まれるかも。
「あぁ、そうそう。ねぇ、マイヤーヌ。私たち、お店で念のためにウィッグつけて変装しているんだけれど、あなたもするわよね? 好きな色を指定してくれれば、購入しておくわ」
マイヤーヌは顎に手を添え思案するそぶりを見せると、急に頬を染め始める。やがて、やや間を置くと唇を開いた。
「エメラルドグリーン」
「なんでエメラルドグリーンって言うだけで赤くなるの? なんか、エロいことでも考えていた?」
「違います! あなた、本当にルイーザ様ですの?」
「こっちが私よ。いつもは猫かぶっているに決まっているじゃない。ここでは素の自分になれる。あなたもわかるわ」
「……そうだといいですね」
ぽつりと漏らしたマイヤーヌの声を聞き、私はそうなってほしいと願った。