とある休日。
私とニキさんは、アッシャードのリネン工場に来ていた。
あれからお父様や工場長と何度も検討を重ね、本日無事にオルニス商会と契約を結ぶことになったのだ。
「遠いところ、わざわざお越しいただきありがとうございます」
「いえいえ。工場や工房も拝見したかったので、いいきっかけをいただきました」
工場長とニキさんが笑顔で握手を交わしていた。
窓から見える雲一つない青空も、契約成立を盛大に祝福してくれているようだ。
工場長は、書面にペンを走らせサインをした。
その光景を見ながら、私は安堵感で全身から力が抜けていくのを感じる。
──これで一段落ついたわ。
サイファ商会との契約はすでに済ませてある。
領土経営はなんとかもとの状態に戻るだろう。
「これで契約締結しました。いやー、シルフィ様のおかげですよ。シルフィ様が天使のようにかわいらしいので、ジグがマイカお嬢様に『天使がいる店がある』と言ったんですよ。そしたら、お嬢様とジグが喧嘩になりまして……。マイカお嬢様には、天使と呼んでいる憧れの人がいらっしゃるんです。その人以外、〝天使〟は認めないと。ふたりの喧嘩を止めに入って、その時にメイドカフェのことを詳しく聞き、リネンのことを知ったんです」
ニキさんがそう言うと、工場長が私の方を見て微笑んだ。
私とニキさんは、アッシャードのリネン工場に来ていた。
あれからお父様や工場長と何度も検討を重ね、本日無事にオルニス商会と契約を結ぶことになったのだ。
「遠いところ、わざわざお越しいただきありがとうございます」
「いえいえ。工場や工房も拝見したかったので、いいきっかけをいただきました」
工場長とニキさんが笑顔で握手を交わしていた。
窓から見える雲一つない青空も、契約成立を盛大に祝福してくれているようだ。
工場長は、書面にペンを走らせサインをした。
その光景を見ながら、私は安堵感で全身から力が抜けていくのを感じる。
──これで一段落ついたわ。
サイファ商会との契約はすでに済ませてある。
領土経営はなんとかもとの状態に戻るだろう。
「これで契約締結しました。いやー、シルフィ様のおかげですよ。シルフィ様が天使のようにかわいらしいので、ジグがマイカお嬢様に『天使がいる店がある』と言ったんですよ。そしたら、お嬢様とジグが喧嘩になりまして……。マイカお嬢様には、天使と呼んでいる憧れの人がいらっしゃるんです。その人以外、〝天使〟は認めないと。ふたりの喧嘩を止めに入って、その時にメイドカフェのことを詳しく聞き、リネンのことを知ったんです」
ニキさんがそう言うと、工場長が私の方を見て微笑んだ。