広大な庭園の一角にバラの迷路はあった。
庭師が丹精込めて手入れしてくれている迷路は、私たちが子供の頃につくられたもの。
今もまだ現役で色彩豊かなバラが咲き誇っている。
私たちは迷路の入り口付近に立っていた。
「──な、なぜ二番。ここは一番を引くべきでしょ!? 私!」
マイカは自分自身が手にしている木札を見つめながら震えた声で言う。
マイカの『ふたりずつに分かれて競争』という提案を受け、私たちはチームを決めるために木札に数字を書きくじ引きをすることに。
私とアイザックが一番。
マイカとウォルガーが二番を引いたため、残りのマイヤーヌとルイーザは必然的に同ペアとなる。
「よかったな、ウォルガー」
アイザックはウォルガーの肩を叩きながら小声で言うと、ウォルガーがうれしそうにうなずきながら、「アイザックも」と言う。
ウォルガーはマイカのことが好きだから、この順番でよかったなぁと思った。
彼女が別荘に滞在できるのは、昼までなので時間が限られているから余計にそう思う。
私もよかった……アイザックと一緒で。
手にしている木札の番号を見て頬が緩む。
「残った私とマイヤーヌがペアね。残念だわ。シルフィと一緒の番号ならば、札をマイカに売却できたのに」
「喜んで高額買い取りさせていただきます」
「ルイーザもマイカも売買しないでください」
マイヤーヌがあきれた顔をしている。
庭師が丹精込めて手入れしてくれている迷路は、私たちが子供の頃につくられたもの。
今もまだ現役で色彩豊かなバラが咲き誇っている。
私たちは迷路の入り口付近に立っていた。
「──な、なぜ二番。ここは一番を引くべきでしょ!? 私!」
マイカは自分自身が手にしている木札を見つめながら震えた声で言う。
マイカの『ふたりずつに分かれて競争』という提案を受け、私たちはチームを決めるために木札に数字を書きくじ引きをすることに。
私とアイザックが一番。
マイカとウォルガーが二番を引いたため、残りのマイヤーヌとルイーザは必然的に同ペアとなる。
「よかったな、ウォルガー」
アイザックはウォルガーの肩を叩きながら小声で言うと、ウォルガーがうれしそうにうなずきながら、「アイザックも」と言う。
ウォルガーはマイカのことが好きだから、この順番でよかったなぁと思った。
彼女が別荘に滞在できるのは、昼までなので時間が限られているから余計にそう思う。
私もよかった……アイザックと一緒で。
手にしている木札の番号を見て頬が緩む。
「残った私とマイヤーヌがペアね。残念だわ。シルフィと一緒の番号ならば、札をマイカに売却できたのに」
「喜んで高額買い取りさせていただきます」
「ルイーザもマイカも売買しないでください」
マイヤーヌがあきれた顔をしている。