私はウォルガーを一瞥すると、彼はマイカとアイザックの間に入って取りなそうとしている。
きっと大丈夫だろう。
このふたりならば、ゲームのような最悪なエンディングにはならない──。
「マイカ、朝食はまだかしら? よかったら、みんなで一緒に食べましょう」
「よ、よろしいのですか!? シルフィ様のお隣で朝食なんて恐悦至極です」
「シルフィの隣は俺だ」
「私ですわ」
「えっと……私、マイカの朝食を用意してもらうように伝えてくるね」
立ち上がると、マイカの慌てた声が聞こえてきた。
「シルフィ様のお手をわずらわせるようなことは申し訳ないです。そのようなことはアイザック様がいたしますので」
「なんで俺なんだよ。そこは自分が行くって言うんじゃないのか」
「シルフィ様と同じ空間にいるのに、私が自分からこの部屋を出ていくと? えっ、本気で思っているんですか。私がこの状況をむざむざと自分から放棄するって? ないわー」
「だよな」
アイザックとウォルガーは同時に言うと、肩を落としながら、ため息を吐き出した。