季節は過ぎ去り、高校受験という名の戦争は終わりを告げた。


「陽斗くんどうだった?」

「まあまあだな。そういうアゲハはどうだっただよ?」

「私もまあまあ!だけど全力は尽くしたよ!」

「だな」

「ふたりで一緒に受かるといいなあ」

「絶対受かる。ふたりで約束したろ?」

「そうだね」


雪降る季節から2ヶ月。

俺はずっとアゲハと一緒にいた。

アゲハは自分を死んだ蝶子ちゃんの代わりになると言っていたけど、蝶子とアゲハは別人。

蝶子は蝶子。

アゲハはアゲハなんだ。

顔が似ているだけで全然違う。

この2ヶ月間、アゲハに支えられて生きてきた。

蝶子を決して忘れることはできない。

初めて愛した人だから。

だけど…………