豪勢な夕飯を食べ、両親とお酒を飲み、家族団らんで年を越す。
毎年そうだった。
「ねーちゃん、初日の出見に行こうぜ」
「えー、めんどくさい」
「いいじゃない、行ってきなよ」
「え、お母さんは?」
「寝るけど」
父親はとっくにアルコールに眠らされている。母も結構飲んでたし、縁もたけなわってところか。
でも私も寝たいんだけどな……。
「一緒に合格願ってくれよ。俺もねーちゃんの時行ったろ」
「わかったよ……じゃあ仮眠とってからね」
「うし!」
寝る前、怜にあけおめの挨拶を送ったが既読はつかなかった。
ライブ疲れで眠っているのだろう。
詩壇くんからはもう既に来ていたので、返信をしておく。つくづくマメな人だ。
「じゃあ後で起こすからな」
「ありがとー」
布団に入った途端睡魔に襲われ、すぐに眠りに落ちる。
暖かな掛布団に包まれながら、心地よい睡眠を――
ピンポーーーン
「なに!?」
飛び起きた私は急いでインターホンを確認する。
時刻は六時、誰かの来訪にしては
早すぎる時間だ。
「はい」
「俺」
「お、俺―――!?」
日が昇る前の非常識な時間に押しかけてくることなら、見慣れた金髪はやりかねない。一気に目が覚めた。