「OK!! 終了!! 亮、桜庭さん、凄く良かったぞ。出来上がりを楽しみにしてろよ」
唐沢さんは大満足の様で、隣に立つ演出の室井さんと握手をしていた。
撮影が無事終わり、すでに私は放心状態だった。
「桜庭、本当に助かった。ありがとう」
一ノ瀬さんの言葉は耳に入っているが、身体にだるさというか、疲労感が漂い声も出ない。
「桜庭ちゃん、最高だったわよ、控室に戻ろうか。身体が冷えたでしょう?」
メイクさんが来て、労ってくれ、頷くことは出来た。
一ノ瀬さんは自分でバスローブを羽織り、スタイリストさんは私にバスローブをかけてくれた。
一ノ瀬さんは、私の前に回り込んで立ち、手を差し伸べた。
その手を取って、立ち上がろうとした瞬間、床にへたりこんだ。
腰を抜かすって、こんな風になってしまうんだ。本当に足に力が入らなくて、脳が命令をしても、全くゆうことを聞かない。
「腰を抜かしたか?」
一ノ瀬さんは、軽々と私を抱き上げた。
「ちょ、ちょっと、立てます、立てますから」
「いいからしっかりつかまってろ」
「いや、ちょっと一ノ瀬さん」
「暴れると、落ちるぞ」
「きゃ……!」
一ノ瀬さんはわざと私を落とそうと、抱き上げた手を下に下げた。
無意識に危険を察知した私の腕は、一ノ瀬さんの首に回った。
「最初からこうすればいいのに」
「いじわるですね」
この時には、体重のことやスタッフのいる前で恥ずかしいと言う感情はなかった。
ただ、一ノ瀬さんが傍にいるという、安心感だけが私を包んでいた。
唐沢さんは大満足の様で、隣に立つ演出の室井さんと握手をしていた。
撮影が無事終わり、すでに私は放心状態だった。
「桜庭、本当に助かった。ありがとう」
一ノ瀬さんの言葉は耳に入っているが、身体にだるさというか、疲労感が漂い声も出ない。
「桜庭ちゃん、最高だったわよ、控室に戻ろうか。身体が冷えたでしょう?」
メイクさんが来て、労ってくれ、頷くことは出来た。
一ノ瀬さんは自分でバスローブを羽織り、スタイリストさんは私にバスローブをかけてくれた。
一ノ瀬さんは、私の前に回り込んで立ち、手を差し伸べた。
その手を取って、立ち上がろうとした瞬間、床にへたりこんだ。
腰を抜かすって、こんな風になってしまうんだ。本当に足に力が入らなくて、脳が命令をしても、全くゆうことを聞かない。
「腰を抜かしたか?」
一ノ瀬さんは、軽々と私を抱き上げた。
「ちょ、ちょっと、立てます、立てますから」
「いいからしっかりつかまってろ」
「いや、ちょっと一ノ瀬さん」
「暴れると、落ちるぞ」
「きゃ……!」
一ノ瀬さんはわざと私を落とそうと、抱き上げた手を下に下げた。
無意識に危険を察知した私の腕は、一ノ瀬さんの首に回った。
「最初からこうすればいいのに」
「いじわるですね」
この時には、体重のことやスタッフのいる前で恥ずかしいと言う感情はなかった。
ただ、一ノ瀬さんが傍にいるという、安心感だけが私を包んでいた。