帰してしまったことを後悔したのは、言うまでもない。
”夏休みと有給を合わせて取ります”
メールできた申請だった。以後、桜庭と連絡がぱったりと取れなくなった。
その訳は、すぐに分かった。
「私が、私が……美緒を責めて」
俺が出勤すると、珍しく川奈が先に出勤していた。
俺の顔を見るなり、泣きだしてあたふたしてしまった。
「ど、どうした?」
周りの目もある。俺は川奈を応接室に入れた。
「どうしたんだ、何かあったか?」
「美緒が……」
「桜庭? 休みの連絡がメールであったが、それがどうかしたのか?」
社の決まりとして、休みの申請は一週間前までにすることになっていた。
だが、桜庭は申請もなく前日に、それもメールという喜ばしくない方法で連絡してきた。
そのことは、後でしっかりと言わなくてはならないことだと思っていたが、そのことだろうか。
「喧嘩したんです」
「喧嘩? また、なんでだ」
泣きじゃくりながらも、川奈は説明した。
「一ノ瀬さんが早退した日、食事をする約束をしていたんです。待ち合わせ場所に美緒が来て、一ノ瀬さんに大丈夫だから帰れと言われてしまったと言ったんです」
「ああ、確かに言った。桜庭にうつしてしまっても悪いからそう言ったんだが」
その気持ちがなかったわけじゃないが、本心は少し違う。
「まるで、言われたのが納得いかないと言う感じで美緒が言うので、当たり前だ、一ノ瀬さんは美緒の事が好きなんだから、体調が悪い時に、好きな人にそばにいて欲しいに決まってる。酷いのは美緒だって」
”夏休みと有給を合わせて取ります”
メールできた申請だった。以後、桜庭と連絡がぱったりと取れなくなった。
その訳は、すぐに分かった。
「私が、私が……美緒を責めて」
俺が出勤すると、珍しく川奈が先に出勤していた。
俺の顔を見るなり、泣きだしてあたふたしてしまった。
「ど、どうした?」
周りの目もある。俺は川奈を応接室に入れた。
「どうしたんだ、何かあったか?」
「美緒が……」
「桜庭? 休みの連絡がメールであったが、それがどうかしたのか?」
社の決まりとして、休みの申請は一週間前までにすることになっていた。
だが、桜庭は申請もなく前日に、それもメールという喜ばしくない方法で連絡してきた。
そのことは、後でしっかりと言わなくてはならないことだと思っていたが、そのことだろうか。
「喧嘩したんです」
「喧嘩? また、なんでだ」
泣きじゃくりながらも、川奈は説明した。
「一ノ瀬さんが早退した日、食事をする約束をしていたんです。待ち合わせ場所に美緒が来て、一ノ瀬さんに大丈夫だから帰れと言われてしまったと言ったんです」
「ああ、確かに言った。桜庭にうつしてしまっても悪いからそう言ったんだが」
その気持ちがなかったわけじゃないが、本心は少し違う。
「まるで、言われたのが納得いかないと言う感じで美緒が言うので、当たり前だ、一ノ瀬さんは美緒の事が好きなんだから、体調が悪い時に、好きな人にそばにいて欲しいに決まってる。酷いのは美緒だって」