翌朝、目が覚めると9時だった。
"ピンポーン" 誰か来たようで インターホンが鳴る。確認すると綾乃だった。
「 おはよう、体調はどう? 」
「 おはよう、まだ喉が痛いけど 熱は微熱かな」
「 起こした?ごめんね、スムージー買ってきたから 飲めるようなら飲んでね。お粥とか食べれそう?」
ちょっと特別な時に買う私の好きなスムージーだ。
「 起きて…たよ、さすが綾乃だね!スムージー… ありがと。食欲ないからお粥はまだ… スムージーなら飲めるよ」
声を出すと喉が痛くて小さな声しか出なかった。
「 何かして欲しい事や、欲しい物ってある?」
「 昨日帰りに買って…来たから…今は無いかな、ありがとう。
あのね、綾乃… 昨日あの人に送って…貰ったの」
「 えっ?あの人?どういうこと?」
「 実は帰ろう…と駅まで行ったら、彼ね…『神崎さん』に偶然会って、私の体調を…心配してくれて…車で送ってくれたの」
「 凄いじゃない!やっぱりあの駅にして正解だったのね。体調良くなったらじっくり話してね。でもそんなに簡単に送って貰って信用できるの?」
「 私の感では…大丈夫です!」ガッツポーズをしてこたえた。
「 七海の感なんて宛に出来るのかしら? まぁチャンスはいかさないとね」
"ピンポーン" 誰か来たようで インターホンが鳴る。綾乃が確認してくれる。
「 どなたですか?」
「 神崎です 」
『ちょっとー!どういう事?』2人で顔を見合わせる。
「 ドア 開けてくるわよ 」待って!心の準備が!すっぴんなのに…パジャマ代わりの長Tシャツ… 見られて大丈夫?ベットの中に隠れる?なんて思っている間に開けていた。
「 はい!」
「 神崎ですが、七海さんの具合はいかがですか?」
「 どうぞお入り下さい、昨日は七海がお世話になったそうでありがとうございました」
「いえ、 お邪魔します」と入って来た!
「 昨日は…送ってくれて…ありがとうございました 」
「 熱は下がったか? これアイスなんだ、お見舞いね 」と差し出した。昨日私が食べると言ったから?嬉しい。
「 ありがとう…ございます。熱は…大分下がりました 」テンションまで上がりそうな程嬉しい !
「 綾乃… これ冷凍庫に…入れてくれる?」アイスを綾乃に差し出しながら頼んだ。
「あっ昨日話した …頼れる友達の …進藤 綾乃さん… です」
「 オレ神崎 彰汰です 」神崎さんが綾乃に改めて挨拶をする。
えっーと何を話そうか?
「 アイス渡しに来ただけだから、もう帰るから大人しく寝てろよ 」と頭を撫でられた。
そうだよね、病人なのだから風邪移すといけないしね。
「 では お邪魔しました 」と帰って行った。怪我の巧妙的なこのシチュエーション、神様感謝です。
「 格好いいじゃない! 拓馬には負けるけどね 脈有りそうだから頑張りなよ 」
2人で顔を緩めた。
「 そろそろ私も帰るけど大丈夫かな?」
「 うん、大丈夫 …来てくれてありがとう! 本当はデートだったのでしょう?福原さんに…『綾乃を奪って……ごめんなさい 』と伝えてね 」
「 うふふ伝えるね、 ゆっくり休んで元気になるのよ 」と帰って行った。