彰汰Side

 朝、目覚めれば、隣に七海がいて横向きになりしばらく眺める。昨日は暴走してしまった。自分の気持ちを伝えて改めて交際を申し込むつもりだった。

 今日こそリベンジに最高の日だ。

 今日が七海の誕生日だと知って、マジか………、と焦った。高橋課長と中野が熱弁していたイベントだ!あの時もっと聞いて置けば良かったと後悔する。

 何処へ連れていけば喜ぶのか?検討も付かない。いや、『イルミネーションか遊園地』って言ってたな。


 時計を見れば”8時” かそろそろ起きないと間に合わないな。

 急いでコンビニへ行きサンドウィッチを買いに行く。誕生日の理想の朝はオレが作れば良いのだろうが、料理は出来るがそれ程得意な訳ではなく、材料も時間もない。せめてカフェのモーニングセットにしたかった。

 帰宅しても中は静かだ。まだ寝ているのだろう。

 コーヒーを入れている間に瑛のケータイへメッセージを送る。
《おはよう 同期会 1時間程で抜けさせてもらう。ごめん! 今日は七海の誕生日だった 》

《おはよう 休めばいいのに、同期会を優先していいのか?》

《七海が参加しろって言うんだ、だから早退することにした》

《了解! 記念日頑張れよ》

‘’ありがとう‘’のスタンプを送信した。

 今日のプランを考えケータイで検索する。ホテルも予約する。

 ちょうど七海が起きてきた。寝起きの可愛さにキスで挨拶をする。

「 さっき買ってきたんだ コンビニのサンドウィッチでごめんな 」

 七海の頭をポンポンとすると、照れた笑みが見えた。

「ううん 用意してくれてありがとう」

「 今日さ 10時からの同期会 行ってくるよ でも一時間で抜けるからデートしよう」

「いいの?」サンドウィッチを持ちながらびっくりした顔をした。

「いいんだ、オレは七海といたい。だから食べ終わったら、七海を車で送っていく。で、同期会へ行ってくるから支度して待ってて2時間で迎えに来るから…」


 一先ず七海を送り届けて、同期会に参加する。ボーリング大会だったがオレは集中出来ずにいると事情を知ってる瑛に笑われた。切の良いところでみんなに謝り抜けさせてもらった。

 急いで向かうはジュエリーショップで今月の誕生石のネックレスを選んだ。

 七海を車で迎えに行く。

「今日はどこへ行くの?」

「房総へ行こう 昼食は食べた?」

「まだだよ 仕度してたからあっという間だった」

「何が食べたい?」

「和食がいいな」

「海鮮系でいい?」

 房総に入り道沿いの店に入った。海鮮丼とアサリの釜飯定食を注文して、お互い分け合って食べる。

 ドライブを楽しみながら 暗くなるのを待ちイルミネーションを観に行った。

 七海の顔が輝いている。七海は手袋をしているが冷たい手をしている。オレの手で温めてやりたかった。手を繋いで園内を周った。とても広く見応えがある。2人で一緒に写真も撮った。一緒に来れて良かったと思う。

 帰りは近くのレトランへ寄り、予約していたホテルへ向かった。