アパートに着き 鍵を開けて「どうぞ」と促された。

 オレを男として認識していないのか、あまりにも警戒心がないので、鍵を掛けて壁ドンをし現実を認識させようとした。

「 いつもこんなに無防備なの? 一人暮らしの自覚ある?」固まっているが、怖がるようすはない。少し紅潮した顔でこちらをじっと見ている。

「 自覚あります でも家族以外部屋に呼んだ男の人は神崎さんが初めてだし… 」

「 そぅ オレが初めてなんだ 」

「 私 神崎さんが好きです!神崎さんとならいいんです 」

「 ふーん こうしても?」脅すだけのつもりだったのに、そんなこと言われたら我慢出来なくなる。

 顔を近づけ触れるだけのキスをする。嫌がられるかと様子を見ながらキスをしたが、おどおどしながらも必死にオレを受け入れようとしている口唇にどんどんと魅了され段々と深いキスをしていく。

 離したくなくなり、そのまま抱きかかえてベッドへ連れていく。

「 いいのか?」初めてだろう、本当にいいのか?

「 はい 神崎さんにして欲しいです」

 もうダメだ。七海の身体をキスで覆い尽くす、触れる度に七海から吐息が洩れる。これ程全霊で求められた事はない。初めての七海を丁寧に優しく抱く。

 愛おしさが込み上げ抱き締めながら眠りについた。

 目覚めると 隣に姿はなく、台所から心地よい音がする。


「 おはようございます 」

「 おはよう こっちに来て 」抱きしめたくなり近くへ呼ぶ。手を引っ張り抱き心地を堪能する。

「 一緒に起きたかったのに… 身体大丈夫か?」照れる笑顔にキスをした。

「大丈夫です。 朝食作ったので、良かったら食べませんか?」

「 作ってくれたのか?ありがとう いただくよ 」

 初めての経験の後なのに、朝食を作ったのか?有り難く頂いた。美味しかったので「美味しいよ 」と言うと喜んでた。

「 シャワー借りたいけど着替えも無いし 午後からフットサルの予定があるから帰るな 」

 まだ時間には余裕があるが、このままいれば、また抱きたくなる。今は我慢しないとな。

 淋しげな表情を見るとオレも離れがたくなる。

「 夕方には終わるから会おうか?食事へ行く?」

「 昨日も外食だったので、私が作ってもいいですか?」

「 もちろん 唐揚げが食べたいな 作ってくれる?」

「 はい 用意して待ってます 」

「 じゃあ また夕方くるよ 」と告げ部屋を出た。