私の大切な…


双子の弟の詩雨(しゆう)だ!!


「…あいた…会いたかったぁ…」


私は押し倒されたまま泣き出した。


「はぁっ?み…う…?」


どうやら私を押し倒している詩雨は私が未雨だと気づいたらしい。


「っ…。そうだよ。」


私はそう言ってニッコリと笑うと


詩雨は私の上からおりて、私を起こしてくれた。


「押し倒したのは悪かった…と…思ってる…」


「ふふっ…」


「な、なんだよ!!謝ったろ!!/////」


相変わらず、可愛いなぁ…。


和んでいたのもつかの間で


「ところで、未雨が何でここにいんだよ。」


「…」


…詩雨?


「それは私が聞きたい。詩雨が何でこんなところにいんの?」


こんな…汚い組織の中に…。


「ここは…未雨、お前が居ていい場所じゃねぇ。」


「早く、家に帰れ。」


「っ…?!なんで?私は…ずっと…詩雨に会いたかった。」


「…」


詩雨は私の話を受け入れようとはしなかった。


「家には父さんや、母さんも居るだろ?」


お父さん…お母さん…


「お父さんとお母さんは…詩雨が居なくなった時に…死んだよ。」


「ちゃんと…死体も…見た…。もしかしたら、詩雨も死んだのかもって思ったけど、詩雨の死体だけは見あたらなかった…。」


今までの話を説明すると詩雨は固まっていた。


どうやら驚きを隠せすことが出来ないらしい。


それも…そうだよね。


「ほんと…なのか…?」


っ…。


「ほんとだよ。だから…ずっと私は詩雨を探してたの。一緒に帰ろ?もう…帰る家も無くなっちゃったけどね?」


と言うと詩雨の顔はさっきの驚いた顔ではなかった。