「うん。小田切さんが張り切ってた」



「え、私やだよ」



「俺もやだよ」



「え、イズミくんが止めればいいじゃん」



耳に響く聞きなれたJPOPは、多くのファンを抱える男性グループアイドルの歌。


AメロとBメロ、サビ―――――――……



曲が進むにつれ、雨の音が消えて行く。



「何か小田切さん、はりきってんの。どーしよ」



「イズミくんが止めてよ」



「もう決定しちゃったらしいよ」



「どうしてそんな他人事なの」



私踊るなんていやだよ。



ていうかそもそも、ダンス音痴、運動音痴な私に踊れるわけがない。


こんな多くの熱狂的なファンを持つアイドルの曲を私なんかが踊ったら、きっと大変なことになる。リズムも拍もない私には無理だ。きっと大勢の人が私を白い目で見るに違いない。