愁Side

 俺は、聖に言われた。好きなんでしょって。

 ずっと好きだった。波のことが。


 俺は、走った。波に会いたかった。話したかった。

 あの時、引き止めたかった。

 
 聖、俺に決心させてくれてありがとうな。




 俺は呼んだ。本当に好きな奴の名前を。

『波、会いたかった。』



 波は、振り返った。俺の顔を見て驚いていた。

 「愁、本当に愁?」

 
 
『波、俺はずっと会いたかった。』 

 波の、目からは涙がでていた。

 俺は、涙を学校にある空いている教室に連れていった。