あいつは平気な顔でいった。

 俺は、信じられなかった。あの時、あいつはしらないやつにキスをして

 たのを見たから。


 まさか、本気だなんて誰も思っていなかった。この時は。


 「手はなさないの?」

『ごめん。離すね。』


 俺でも握ったことない聖の手を簡単に握った奴がゆるせなかった。


 その後も愁は、聖にたくさんの笑顔をみせた。

 
 俺には、あの笑顔はどう見ても本当の笑顔だと思った。


 誰にでも見せれるような笑顔ではないことは、すぐに分かった。