私と真宙くんはベンチに座っている。
 初めて真宙くんと話した、あの公園の。


 今日は真宙くんと会う約束の日。


 真宙くんの話を聞く。
 そのときが来た。



「……希空ちゃん、今から話す話なんだけど……」


 ついに……きた……。


「俺が生み出してしまった問題だから、
 自分で解決しなければいけないことなんだけど……」


 問題……?

 真宙くんが生み出してしまった……?


「どうすればいいのか、わからなくて……。
 それで希空ちゃんにアドバイスをもらいたくて」


 アッ……アドバイスッ⁉


「わっ……私がアドバイスするなんて、全然お役に立てないっ」


 真宙くんに突然そう言われて大慌てしてしまった。


「そんなことないよ。
 希空ちゃんは人の心がわかる、とても優しい子だよ」


 真宙くんは、やさしい表情でそう言った。


「希空ちゃん、お願い。俺の話を聞くだけ聞いてほしい」


 真宙くんは、とてもやさしい声でそう言った。


 真宙くんのその声につられてしまったのか。
 気付いたら、小さく頷いていた。


「ありがとう、希空ちゃん」


 真宙くんは、ずるいくらいのやさしい笑顔でそう言った。