次の日。
今は昼の休憩。
いつものように桜ちゃんと弁当を食べている。
「麻倉さん」
そのとき。
クラスメートの田中さんが私のことを呼んだ。
「麻倉さんのことを呼んできてって頼まれて」
田中さんはそう言って教室の戸の方を見た。
つられるように私も教室の戸の方を見た。
……‼
その瞬間。
心臓がどうにかなってしまいそうなくらいに驚いた。
そこには黒川さんと黒川さんの両側にいた女子生徒たちがいたから。
どうして黒川さんが……?
話は終わっているはず。
それなのに、どうして……。
心の中に小さな嵐が生まれ始めていた。
それがどんどん大きくなっていく。
今、一番会いたくない人が私のことをまた呼んでいる。
今度は一体何の用?
何も話はないはずなのに。
どうして関わってくるの……‼
そう思いながら田中さんに「ありがとう」と言って席を立ち、ゆっくりと黒川さんたちの方へ歩いていった。