彼のファンじゃないという女子高生なんて全然いないんだろうな。

でも私は、Haruのファンにはならない。


なるほど、発売はちょうど1ヶ月後香水の香りだったり値段だったりとかはまだ公表されていないんだな。


ここでの広告はあくまで人目をひくため、しばらくしたら本人の口から詳細を発表して売り上げを伸ばす気なのだろう。


「こんな所で立ち止まらないで早く帰ろう。」


そう呟いて足を進める。



***



綺麗に管理されたマンションの2階、鍵を開ける。


「ただいま。」


もちろん、おかえりの声は帰ってこない。


「はぁ、夜ご飯の準備しようかな。」


手を洗って制服から着替えてからキッチンに行く。