「俺がその香水つけたら、それを買ったファンの女の子たちと一緒の匂いになっちゃうよ?」

「あっ、それは…」


嫌だって私が言うのはダメだよね…

さっきまで嬉しい気持ちだったのに一気に暗い気持ちになる。


「うそうそ、俺は使う気ないからそんな顔しないで。」


優しい声でそう言って軽くキスをしてくれる。


「本当…?」

「うん。それに俺は椿一筋だからなんの心配もいらないよ。」

「知ってる…」


そんな可愛くない返事をしても彼は嫌な顔ひとつしない。

もともと異性から好意を寄せられることが多い春樹がモデルになると更に人気が出て…心配が絶えないのが実際のところ。

ただいつもこうやって心配ないって言ってくれて私がどれだけ救われているだろう。

もうそろそろ寝よっか、そう彼に言うと一緒にねって私を抱えて寝室に向かう。