榊原椿(さかきばらつばき)、高校3年の18歳。

部活には入っていない、友達も少ない私は学校が終わるとすぐに家に向かう。


午後4時過ぎ、なんの予定もない学生らが帰宅し始めるこの時間の街はいつでも騒がしい。


『今、人気急上昇中の新人モデルHaruプロデュースの香水、発売決定!』


街中で最も目立つであろう大型ディスプレイからそんな声が聞こえて足を止める。

足を止めたのは私だけじゃないようで、周りにいた女子高生たちのグループも同じところを見つめている。

そりゃあそうだろう。突如現れた18歳の男性モデルのHaruはここ最近で驚異的な人気を得て女性、特に学生からの人気は物凄い。


「どんな香水なんだろう〜!」

「絶対買わなきゃ!バイトのシフト増やせるかな〜」


そんな若々しい黄色い声が後ろにいる2人組から聞こえる。


あの人たちもHaruのファンなんだな。
顔も整ってて高身長、その上優しいと噂の完璧王子、本当にすごい人気ね。


そんなことを考える。