小さなころの、優心くんを思い出す。


いつ、あたしなんかを好きになったの……?


優心くんが、あたしに告白する理由って何……?



「あの……優心くん」


人のまばらな校庭で、足を止めた。


「どーかした?」


彼の色素の薄い髪が、風に靡く。


小学校6年間で、あたしは彼と何度も同じクラスで過ごした。


いつも笑っているんだ。


明るくて朗らかで、決してあたしとは交わらない存在。


クラスの真ん中。太陽みたいな人。


おかしいよね、あたしなんかを好きになるなんて。