千夏…―。


俺は、今まで何度も自責の念に苛まれてきた。

俺が…

俺が、もっと強ければ、あんな目にあわせずに済んだはずだ…。


あの頃、俺は弱かった。


あいつを守れるのは、俺だけだったのに。

俺が…

俺は、あんな…あんな最低な教師に…。
あの時は、教師(あいつら)の言いなりになっていた…。


俺は、千夏が俺の事を最低な奴だと、嫌いになったとそう思っていた。

だけど、あいつは…
「ありがとう」

と言った。

笑ってそう言ったんだ。

どうして俺は、千夏を最後まで守り抜く事ができなかったんだ…。

俺が結果的に千夏を追い詰めてしまっていたのか…。


…千夏…―。