靴箱を開けた時、私はギクッとした。


…なんで…。


すでに靴をはいた三浦くんが不思議そうに声をかけてきた。

「どした?
森下さん?」

私は、必死に手の震えを隠しながら、言った。


「ごめん…三浦くん。
先…帰って?
私…用事思い出しちゃった…。」

「え?」

「ごめんね…。」


靴箱をバタンと閉めて、私はその場を駆け出した。