「じゃあ、一緒に教室まで行こうか。」
俺の担任になる宮田という教師は、にっこりと笑ってそう言った。
歳は40歳くらいだろうか。
黒のパンツスーツに水色のブラウス、髪も綺麗にまとめている。
外見はしっかりしていそうな教師。
でも、果たしてそうだろうか。
きっと、この笑顔も作りもの。
教師なんて、自分の身の保身しか考えてない。
教師っていう立場を都合良く利用しているだけ。
人の心の中なんて、分かったもんじゃないんだ…―。
俺は、3年前のあの日、決めたんだ。
絶対に、教師なんて信用しない…。
あんなくだらない大人になんてならないって決めたんだ…―。