杉田は、ふっ…と口元に薄い力ない笑みを浮かべて言った。

「退学になって、引越してったよ…。
遠くの町へ…。」

「…………。」

言葉が見つからない…。

何と言えばいいのか、適当な言葉が見つからなかった。


「今は、どこに住んでいるかも…分からない…。
俺の……

俺の大切な彼女だったんだ……。」


「悪い…。

悪い事聞いた…。」

そう言葉を返すのが精一杯だった。

うまい言葉が本当に見つからない。

何だか、口の中がカサカサした…。


それは…

杉田と俺が似ていると思ったから…。

杉田が俺と重なって見えた…。


俺と…千夏…。




……千夏……―。