満開の桜の下に並んで、純粋無垢な笑顔を向けているふたりのいまの関係はこの頃と大きく違っていた。


──もう変えないとなあ。

そう思っているのに私の親指はphotoアプリを開いて、指を下に動かして写真を見ていた。



まだ来るまで時間があるから、このあとはもう見ないって決めているから、と心の中で言い訳をしているけれど、本当はこの目に収めておきたいだけだと知っているし、"嫌だ" "寂しい"という気持ちがまだ私の中にある証拠だということも知っている。


ぎこちない距離から始まって、距離近づくにつれて顔が歪んでいるように見えるのは私だけだろう。


わたしのカメラロールは彼の写真がほとんどで、そのくらい私の生活に彼は必要だったのだと改めて思う。