「まだまだ、ちゃんとした収入もないのに結婚して生活できると思ってるの?」

「……。」


「学費だって、パパが一生懸命働いて、渚チャンの為に払ってくれてるのよ。」


「わかってるもん…。」


「じゃぁ、ちゃんと卒業して、それから結婚しても遅くはないんじゃない?」


俯く渚チャンの顔をのぞきこむと渚チャンは涙目になっていた。


「わかってるけど、卒業するの2年後だよ?かぁくんの気持ちが変わっちゃったらどぅしよぉ…。」


あぁ!そういう事か!


あたしがニヤリと笑うと渚チャンが怒った顔をした。


「何で笑うのよ!茜チャン酷い!」


「(笑)ゴメン、ゴメン!いやね…その不安な気持ち、超わかるよ。うん。」


「え…?」


「あたしも、不安になった事もあるわょ!」


「茜チャンが?!バカップルって位仲良しなのにッ?!」

渚チャンが驚いて声を上げる。


「不安は付き物よ。ても、相手を信じる事も大事。相手の気持ちもちゃんと確かめないで、卒業を待たずに結婚しても、また不安に襲われるわよ?」


「でも…。」


「じゃぁ、渚チャンは2年後も要くんを好きでいられる自信はある?」


「もちろん!かぁくんしか見えないもん!」


「結婚の事は二人で決めたのでしょう?」


「そぉだけど…。」


「二人共、きっと大丈夫よ。今の気持ちを忘れないで、大学を卒業してから結婚を考えな?」


「……。」


「リビングで洋太が要くんと話してるから。終わったら部屋で話し合いな?」


「うん…。」


渚チャンが部屋に入って行った。