「あの、私の家ここだから。送ってくれてありがとう。気をつけて帰ってね。バイバイ!庵くん!」

何も言わずに庵くんはスタスタと歩いて行ってしまった。

やっぱり怖いな…庵くん。

はぁ…。

「ただいま!」

「星姫おかえり!すぐご飯作るわね!」

「今日ご飯いらない。ごめんね。」

大丈夫?と心配された。

さ、お風呂行こ。

「づがれだぁーーーー!!」

お風呂から上がってすぐに私はベッドに倒れ込んだ。

庵くんと2人で帰ったの誰にも見られてないよね。

見られたら恐ろしいことになる。

生きていられないと思う。

なんでこんなに私が怯えているかと言うとね、学校で庵くんのファンクラブがあるの。

実は、庵くんは学校では優しいキラキラ王子様を演じている。

私達に見せる顔が庵くんの本当の顔なんだ。

皆はそれを知らない。

絶対知ってた誰も好きにならないよ。

あんなやつ。

本当に今日は色々あったな。

明日はどうなるんだろう。

不安だな。

そんなことを考えていたらいつの間にか寝てしまった。

~♪♪♪♪~

ん〜!

起きなきゃ。学校だ。

「おはようー。」

「おはよう、星姫!朝ご飯出来てるわよ!」

「はーい。」

今日も朝ご飯食べて髪の毛緩く巻く。

そして、ナチュラルメイク。

制服は少しだけスカートを短くしてっと。

ピーンポーン

あ、来ちゃった!

「行ってきます!」

「行ってらっしゃい、気をつけてね!」

「はーい!」

ガチャ。

「おはよう、星姫!」

「おはよう、若葉!」

学校へ行くときに私の家の前を通るため毎朝迎えに来てくれる。

「よう!星姫ちゃん!」

そういって若葉の後ろからひょっこり顔出したのは龍先輩だ。

「あ、おはようございます!」

坂下龍(さかした りゅう)さん。

同じ高校の3年の先輩。

そして若葉の彼氏。

いつも、ラブラブなお2人なんです。

羨ましいな。

私も彼氏欲しいな。