「星姫、見て!これ可愛くない!?」

「ほんとだ!可愛い!
いいなぁ…私も着たかったよ…。」

「着ちゃいなよ!別に料理する人は着ちゃいけない、なんてルールないし。
それに、絶対星姫がこれ着たら可愛すぎて男子全員メロメロだよ!」

「そ、そんなことないよ」

そんなこと言ってくれるのは若葉だけだよ。

お世辞でも凄く嬉しい。

でも、この感情は表には出してはいけない。

だって…。

「当たり前だろ。
お前みたいなブスにはこんな服似合わねぇよ。クラスの笑いもんだぜ?」

あははと大笑いしてバカにしてくるから。

私はこの人が大嫌いです。

こんにちは!

申し遅れました、私は白河星姫(しらかわ せいら)です。

高校2年生の17歳。

只今、親友の若葉と来月にある文化祭の買い出しの真っ最中。

文化祭の実行委員ということで2人で行くことになったの。

私達のクラスはカフェをするらしい。

決まりとして接客担当の女子はメイド服で男子はスーツ。調理担当の人は服装自由。

女子は誰もメイド服なんて持ってないからそれを今日は買いに来たの。

男子は親のスーツを借りてかっこよく着こなすそうです。

「星姫、見て〜こっちのも可愛いよ」

「うわぁ〜すごく可愛い」

若葉のメイド服姿は絶対可愛いだろうな。

「ねぇ、星姫はほんとに着ないの?」

「いいていいて!どうせこいつには似合わねぇんだからさ」

「私は星姫に聞いてるの!庵には聞いてません!黙ってて!」

「だって本当のことだろ?」

「うるさい!星姫は可愛いから絶対似合うもん!庵は見る目がないのよ!」

「はぁ?目悪いのかよ…。いい眼科紹介してやろうか?」

「なんですて〜!?」

あわわ…!?

また始まっちゃった。

若葉と庵くんの喧嘩が…。