好きにさせる、好きになんてならない、互いに宣戦布告をした二人はそれからしばらくして結婚式を挙げた。
人間の挙げる式とは違い、結婚式は教会などではなく天使と悪魔が集える宮殿で行われる。参列者などはなく、互いの上司の前で愛を誓うというものだ。
「シャルロッテ、綺麗だよ」
黒ではなくグレーのタキシードを着たエドワードに微笑まれても、シャルロッテは「そう?」としか言わなかった。種族の違う二人がこれから夫婦になるなど、シャルロッテはまだ心の中で嫌悪感を抱いている。
白いウエディングドレスを着たシャルロッテはエドワードの隣に立ち、互いの上司の前で永遠の愛を誓う。そしてシャルロッテはエドワードに唇を奪われた。
シャルロッテは仕事が恋人というタイプで、今まで恋愛経験などしたことがない。そのため初めてのキスだった。
「……ハアッ。これからよろしくね?奥さん」
唇の柔らかな感触が離れた後、シャルロッテはエドワードに妖艶に微笑まれる。その表情に顔を赤くしてしまい、シャルロッテは何も言わずに俯いた。それを上司たちが微笑みながら見守っている。