逃げたくても逃げられない、そう現実を突きつけられる。シャルロッテは諦めることにした。

「……わかりました。相手と会います」

「本当か!?」

シャルロッテがそう言うと、神様はホッとしたように胸に手を当て喜んだ。これからお見合いの場所や結婚式のことを決めていくのだろう。

シャルロッテはため息をつきながら部屋を出た。



それから数週間後、シャルロッテはペカザスの動かす馬車で天界を出てお見合いをする場所へ向かっていた。

悪魔は天使とは違い、魔界に住んでいる。しかし、天使も悪魔も互いに自分たちが住んでいる世界に入ることはできない。そのため、天使と悪魔どちらも入ることができる人間界で会うことになった。

人間に見られても大丈夫なようシャルロッテは背中の白い羽をしまい、白いミニ丈のドレスから花柄のレースのついたオフショルダーワンピースを着ている。

「ここがお見合いをする場所ね……」

有名な観光地でもある宮殿がお見合いの場所となった。今日は観光客が入れない日らしく、宮殿には誰もいない。