シャルロッテとエドワードは互いに協力しながら一つ屋根の下で暮らしている。毒を吐いてばかりだったシャルロッテも、エドワードに対して少し優しく接するようになっていた。

「シャルロッテ、今日の夕方に兄さんが遊びに来たいって言ってるんだ。いいかな?」

仕事が休みなため、ソファに腰掛けて読書をしていたシャルロッテはエドワードに話しかけられる。

「あなたにお兄さんがいたの?」

家族の話をする時、エドワードは弟や両親の話はしていたが兄の話は聞いたことがなかった。シャルロッテが訊ねると、エドワードは「うん。もうここ最近は関わってなかったけどね」と答える。しかし、その顔は家族に会える喜びに満ちたものではない。

「兄さんは、数年前に悪魔の女性と結婚しているんだ。でも性格が俺とは合わなくてね……。自分の手に入れたいものは暴力を使ってでもって人だから」

「そう……」

シャルロッテはそう言い、夕食の材料を買いに行こうと立ち上がる。家に来てくれるのだから、精一杯のおもてなしはしなければならない。