天使と悪魔、それは種族が違うことから長い間対立をし、一度は巨大な戦争にまで発展した種族である。そんな二つの種族は和睦を結ぶことを誓い、その証として天使と悪魔を何人か結婚させることになった。

「その話は大々的に新聞に載せられていましたから知っています。ですが、なぜ私が悪魔と結婚しなければならないんですか!!」

栗色の長い柔らかな髪を揺らし、白いレースのついたミニ丈のドレスを着た女性がバンと思い切り机を叩く。彼女の背中にはドレスと同じ白い羽があった。彼女の名はシャルロッテ。天使だ。

天使は天界と呼ばれる場所で仕事をする。善人を平和に暮らせるように守るのが仕事だ。シャルロッテは上司である神様に呼ばれ、部屋に入った瞬間に「おめでとう。悪魔との結婚が決まったぞ」と言われたのだ。そして机を叩き、今に至る。

「ま、まあまあ落ち着けシャルロッテ。悪魔にもいい人はたくさんいるだろう。悪魔はイケメンが多いんだぞ〜」