「………………何処に??」

俺の腕を取ったまま、エレベーターに向かう藤堂を引き留め

行き先だけでも教えて貰おうと声をかけると。

「お部屋が取ってあるので。」とニッコリ笑って返された。

…………………お部屋?!

えっと………お部屋って……………。




卒業式の時………

俺は、彼女に告白された。

もちろん、中学生と付き合うなんて………

ましてや、学園関係者とお近づきになるなんて考えられず。

『好きな人がいます。
ごめんなさい。
それに………年も離れている俺よりも
同じ年頃の彼氏を見つけた方が良い。』と言って断った。

ただ本心は………

相談を受ける内、気になる存在にはなってはいた。

まぁ、中学生だから……恋愛とは少し違うが……。

あれから3年。

音沙汰なしだったから

もう俺の存在なんて忘れて

新しい恋をしてると思っていたのに……………。




期待と不安で戸惑う俺を楽しむように

クスクス笑う藤堂。

強引に腕を引かれるままについていけば………

確かに

ホテルの一室に連れて行かれた。

慣れた様子でカードキーを出して開けると。

藤堂はさっさと入り

「どうぞ。」と促している。

……………………………。

…………『どうぞ。』と言われても………………。

入り口で固まる俺を笑う複数の声。

…………あれ??………?!

一人じゃない????

安心して中を覗くと…………

「「ガハハ」」と笑う野太い声が複数。

「女の子一人の部屋に、呼び出すって思ったんですか?!
私はそんなに擦れてないですよ!!!」と

少し唇を尖らせプンプンと怒っていた。

その表情は………。

3年前の

まだメイクを施してない頃の彼女を思い出させ

綺麗になった彼女の幼い部分に、ホッとした。