いろんな意味で痛い。
今日はまだ木曜日のはず。
遅刻だ。完全に寝過ごした。
どうしよう〜。
何で瑠偉さん起こしてくれなかったの？
今から急いでアパートに着替えに戻っても会社に着くのは午後になってしまう。
ひとり青ざめていると、寝室のドアが開いた。
「あら、芽依ちゃん起きたの？」
杏樹さんだった。
何故ここに？
会社はどうしたのだろう。
彼の自宅で彼女に会うのはなんだか恥ずかしい。
「まだ寝てなきゃ駄目よ。熱があるんだから」
ポカンとする私に彼女は布団をかけて寝かせる。
「知り合いの医者にみせたら軽い風邪だろうって。インフルエンザじゃなくて良かったわね。ちょっと食べて薬飲まない？」
お医者さんが診てくれたんだ。
高熱だったからか全然気がつかなかった。
いまいち状況が理解出来ない。
「あの、瑠偉さんは？」
彼のことが気になって杏樹さんに尋ねる。
ちゃんと会社に行ったのだろうか？