あまりに動揺してうまく言葉が出なかった。
「そういう事にしておこうか。ワイン飲む?今日は飲み過ぎは厳禁だけど」
彼に聞かれ一瞬悩むが飲むことにした。
少し飲んだ方がリラックス出来るかもしれない。
写真を見て少し気が紛れたけど、やっぱり心臓がドキドキしている。
「ちょっとだけ頂きます。瑠偉さんのお父さま、外国の方ですか?」 
「父はフランス人なんだ。芽依もハーフかクオーターだよね?」
「私は父がイギリス人でハーフなんです。自分の容姿は外人ぽくてあまり好きじゃないですけど」
苦い思いが胸に広がる。
過去にどれだけこの容姿に悩まされてきただろう。
普通の日本人になりたいってずっと願ってた。
でも、普通の日本人って一体なんなんだろう。
自分らしく生きれたらって思う。
「その気持ちわかるよ。日本にいるとやたら視線感じて自分が異端者みたいに思える事がある。俺は眼鏡の芽依も今の芽依もどっちも好きだけど。でもこうして間近でその淡いブランデー色の瞳を見ると魅入られる」