ダメだ。誤魔化せない。
「社長の甥とか、上司とか関係ないじゃない。うちの愚弟が好きなら全力で奪いにいかなきゃ」
杏樹さんは楽観的だ。
彼女みたいに綺麗で自信に満ち溢れていたら迷わないだろう。
でも、私には何もない。
一条さんが好きだけど、彼と恋人になりたいなんて図々しいことは思わない。
「私にとって一条さんは星なんです。手を伸ばしたって届かない。眺めているだけでいいんです」
私の発言に杏樹さんは大袈裟に溜め息をついた。
「最初から諦めるの?そんな事ではロシアの駐日大使のお嬢さんに瑠偉を奪われるわよ。主人の情報では、彼女かなり瑠偉に惚れ込んでるらしいわ」
杏樹さんの話を聞いても驚かなかった。
一条さんは女性にモテる。
そんな話に一喜一憂してはいられないし、それに彼は私のものではない。
お願いだからそっとしておいてほしい。
「だから……私には出来ません」
杏樹さんから視線を外して断るも、彼女は諦めてくれない。
「社長の甥とか、上司とか関係ないじゃない。うちの愚弟が好きなら全力で奪いにいかなきゃ」
杏樹さんは楽観的だ。
彼女みたいに綺麗で自信に満ち溢れていたら迷わないだろう。
でも、私には何もない。
一条さんが好きだけど、彼と恋人になりたいなんて図々しいことは思わない。
「私にとって一条さんは星なんです。手を伸ばしたって届かない。眺めているだけでいいんです」
私の発言に杏樹さんは大袈裟に溜め息をついた。
「最初から諦めるの?そんな事ではロシアの駐日大使のお嬢さんに瑠偉を奪われるわよ。主人の情報では、彼女かなり瑠偉に惚れ込んでるらしいわ」
杏樹さんの話を聞いても驚かなかった。
一条さんは女性にモテる。
そんな話に一喜一憂してはいられないし、それに彼は私のものではない。
お願いだからそっとしておいてほしい。
「だから……私には出来ません」
杏樹さんから視線を外して断るも、彼女は諦めてくれない。