「私は呼ばれてませんし、招待状がないと入れませんよ」
私が反論すると、杏樹さんは不敵の笑みを浮かべた。
「招待状ねえ。問題ないわ。ここにあるもの。うちの主人が外務省に勤めていてね」
杏樹さんは持っていたバッグの中から金色に縁取りされた招待状を取り出すと、自慢気にひらひらさせて見せた。
「でも、こんな格好じゃ行けません」
こんな冴えないスーツ姿でパーティに出席したらそれこそ会社の恥になる。
「それも問題ないわ。お姉さんに任せなさい。あなた素材がいいもの。眼鏡を外してドレスを身に纏うだけで別人になるわ」
キラリと光るその目は一条さんと同じだ。
杏樹さんは心なしかウキウキしているように見える。
「待ってください。私が行っても一条さんの迷惑になります」
眼鏡を外したら、確実にあの夜の女だってバレる。
たった一夜の遊びでも、関係を持った女がアシスタントだと知ったら仕事に支障が出るのは間違いない。
私が反論すると、杏樹さんは不敵の笑みを浮かべた。
「招待状ねえ。問題ないわ。ここにあるもの。うちの主人が外務省に勤めていてね」
杏樹さんは持っていたバッグの中から金色に縁取りされた招待状を取り出すと、自慢気にひらひらさせて見せた。
「でも、こんな格好じゃ行けません」
こんな冴えないスーツ姿でパーティに出席したらそれこそ会社の恥になる。
「それも問題ないわ。お姉さんに任せなさい。あなた素材がいいもの。眼鏡を外してドレスを身に纏うだけで別人になるわ」
キラリと光るその目は一条さんと同じだ。
杏樹さんは心なしかウキウキしているように見える。
「待ってください。私が行っても一条さんの迷惑になります」
眼鏡を外したら、確実にあの夜の女だってバレる。
たった一夜の遊びでも、関係を持った女がアシスタントだと知ったら仕事に支障が出るのは間違いない。