多分、深沢玲子もそうだろう。
それにしてもいい女だった。
後腐れのない女。
彼氏がいないのが不思議なくらいだが、あの女を上手く扱える男なんていなそうだな。
俺も恋人にはしたくない。
そんな事を考えながら資料を作っていると、突然部屋が真っ暗になった。
「停電か?」 
パソコンの電源も切れ、俺は携帯を取り出した。
「作った資料、全部データ飛んだんじゃないだろうな?」
ハーッ、つくづくついてない。
今日はもう帰った方がいいかもしれない。
非常電源に切り替わったのか、周囲が少し明るくなる。
だが、パソコンは使えなさそうだ。
内線は使えるのか?
そう思って内線で情報システム部にかけると繋がった。
さっきまで噂してた女が出る。
あー、タイミング悪。
『あら、お疲れ様。ひょっとして今の停電でパソコンおかしくなった?こっちも電力が復旧するまでお手上げよ。明日の朝まで待つのね、鬼軍曹』