「もちろん」 
俺は極上の笑みを浮かべた。
「驚いた?」
俺が心臓が止まるくらい驚いたのを知ってて聞く彼女。
そんな彼女が愛おしくて仕方がない。
「そりゃあ驚くでしょ」
背後から芽依をそっと抱き締めて、彼女のお腹に手を当てる。
ここに宿っているかもしれない命。
もし、いるのなら無事に生まれてきて欲しい。
男の子でも、女の子でも元気ならばそれでいい。
芽依の体調の異変になんとなく気づいてはいたけど、結婚式の準備で忙しいせいかと思っていた。
「パパか……」
芽依の寝顔を見ながら、改めて呟く。
その夜見た夢は、自分が育ったあの家で家族3人で笑いながら食事をしているというとても幸せな夢。
俺と芽依とそれから……娘。
この幸せが現実になって永遠に続けばいい。
俺の祈りは天に届くだろうか。


     ☆


式から六ヵ月後、芽依と妊婦健診に行ってお腹の子が女の子だと判明した。
あの結婚式の時に見たあの女の子は……天使のお告げだったのかもしれない。


※瑠偉side ー Fin.