「……ずるいのはどっちだか。芽依が欲しい」
芽依の耳元で甘く囁く。
もう待てない。
彼女はまた赤くなったが、かまわず顎に手をやり深く口づける。
そして、そのまま近くにあった芽依のベッドに一緒に倒れ込んだ。
キスは呼吸するのを忘れるくらいますます深くなる。
まだまだ足りない。
もっと。
もっとだ。
お互い服を脱ぎ、本能のまま愛し合った。
まだ身体が熱い。
この熱情は冷めることを知らない。
自分の貪欲さに呆れる。
今夜も抱きつぶしてしまった。
疲れ果てた芽依が隣でぐっすり寝ているのを見て、少し反省する。
彼女のベッドは小さい。
芽依を抱き寄せ、その薬指の指輪にそっと口づける。
こんなに密着出来るなら、小さいベッドもたまにはいいな。
だが、もう芽依をこの部屋でひとり寝泊まりさせるわけにはいかない。
学生の時から住んでいたから思い入れもあるかと思うが、やはり安全性に問題がある。